【書評】改めてイーロンの凄さを知る『イーロン・マスク 世界をつくり変える男』
書店にふらっと立ち寄って、気になった『イーロン・マスク 世界をつくり変える男』を読んだので、その感想です。
- 作者: 竹内一正
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2018/01/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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イーロンさんはテスラやスペースXなど、世間からしたら割とブッとんでいることを平行してやっているので、前から好きでしたが、この本を読んでイーロンさんの作ろうとしている未来や考え方などを知ることができて、ますます好きになりました。
この本で印象に残ったことを述べていきたいと思います。
失敗は成功の必要条件
よく失敗を恐れるなと成功した人の物語をみると、よくこんな感じのことが紹介されていますが、イーロンさんの場合、そもそも失敗は起こるものとして、物事を捉えていることに驚きでした。
失敗を恐れるな。これはよく言われることですが、イーロン・マスクを見ていると「失敗を恐れる、恐れない」という領域を超えて、そもそも「失敗は起こるもの」と平然と受け入れているように感じます。新しいことをやろうと思ったら、失敗を許容しなければならない。本書のテーマでもある「世界をつくり変え、未来を創造する」というのなら、なおさら失敗を避けては通れません。フェイスブックのマーク・ザッカーバーグはハーバード大の学生の前で、失敗についてこんな話をしていました。「J・K・ローリングはハリー・ポッターを出版できるまでに12回も断られた。ビヨンセですら"Halo"を作るまでに何百曲と作ったんだ。大きな成功は『失敗する自由』によって生まれるんだよ」。失敗は成功への必要条件なのです。 竹内一正.イーロン・マスク 世界をつくり変える男(Kindleの位置No.618-625).ダイヤモンド社.Kindle版.
失敗を恐れる、恐れないということではなく、新しいことをやっているのだから、失敗して当然というマインドで行動しているのは、イーロンさんにとっては当然といえば当然なのですが、僕はどこかで失敗を恐れながら仕事をしていて、この考えはなかったです。
僕はこれまで仕事で数え切れないくらいたくさんの失敗をしてきたのですが、少なからず新しいことに挑戦していたり、極限状態まで追い込んだ状態で失敗しているので、失敗は起こるべくして起こったと考えると、失敗して当然ということになります。(こんなことを上司に言ったら、激怒されると思いますが。笑)
イーロンさんの場合、スペースXで起こった数々の失敗を公開しているのも驚きでした。
こちらの動画でよくまとめられていますので、スペースXでこれまでどんな失敗が起こったか分かると思います。
最後の方はロケットが綺麗に逆噴射して、着陸する動画も写っていて、感動しました!
人生新しいことの連続なので、失敗を恐れる、恐れないではなく、失敗は起こるものとして覚悟を決めておくとよいかもしれません。
暗黒な領域に割って入る
ここでいう暗黒な領域とは、既得権益でガチガチに守られた産業や業界のことを指します。
イーロンさんが挑戦している事業は、どれも既存の会社や業界が高い壁となって立ちはだかっていて、実際のところはかなり苦労しているようです。
ただ、そこに関してイーロンさんは一切妥協せず、相手が誰であろうと自分の信念を曲げるようなことはせず、言うべきことは言うという姿勢を見せています。
どんなに分厚い壁でも叩き続ければいつしかヒビが入る。スペースXの破格のコスト力は、国防に強い発言力を持つマケイン上院議員でさえ動かし、彼の口から「これまでの軍事衛星打ち上げ契約の見直しをすべきだ」との発言を引き出したのです。事実、ファルコン9を使えば、米空軍が年間で10億ドルの節約ができる。これまでの実績だの、伝統だのを超えて、コストの力は絶大だったのです。 竹内一正.イーロン・マスク 世界をつくり変える男(Kindleの位置No.1615-1619).ダイヤモンド社.Kindle版.
それに対し、徐々に国民も気づいて、社会がシフトしていくという流れを作り出せるイーロンさんは、やっぱり凄いと思いました。
ここらへんが非常におもしろいところで、たとえば、NASAや国防総省がスペースXを使わず、相変わらずロッキード・マーチンやボーイングばかりを使い続けていたら、当然、国民は「なぜ、安いスペースXを使わないんだ!」「税金の無駄づかいをしているんじゃないか」と文句を言うでしょう。すると議員たちも分が悪い。そんな微妙な力関係が働いてくるのです。 竹内一正.イーロン・マスク 世界をつくり変える男(Kindleの位置No.738-742).ダイヤモンド社.Kindle版.
日本の場合でも、ガチガチで守られている業界、産業はたくさんあると感じますので、最初は全く相手にされなくても、これまでにない全く新しいテクノロジーで徐々に成功例を作りだしていくことができれば、国民もそれに気づき社会を動かすことができると思いました。
自分自身に当てはめてみると、イーロンさんのような財力もなければ、能力もないですが、自分が将来こうしたいという思いがあるものに対し、わずかでもお金や時間を費やしていくことが大切なのかなと思いました。
とりあえず、テスラに投資することも視野に入れたいと思います。
圧倒的なスピードで物事を実行
イーロンさんが手がけている事業のどれを見ても、先進的で凄いのですが、僕が以前から気になっていたのは、彼のインプット法でした。
どんなやり方で知識をインプットしたら、こんな考えに行き着くのかずっと気になっていたので、この辺りのことについても、この本で紹介されていて、非常に勉強になりました。
イーロンさんの場合、分からないことがあったら、とにかく調べる、調べても分からなければ、その専門家を質問攻めにして、短時間で知識を九州し、短時間で深く考え、短時間で結論を出すということを繰り返しているようです。
つまり、スピードと行動力です。
イーロン・マスクは、わからないことがあると、現場のエンジニアを質問攻めにします。かつてスペースXで働いていたエンジニアはこんなことを語っていました。「僕に質問をふっかけることで、彼自身が勉強していたんですよ。あの人は、こちらの知識を90%くらい奪っていくまで質問をやめませんから」このエンジニアはさらっと話していますが、宇宙工学の専門家を向こうにして「相手の9割の知識を身につけるまで質問をやめない」というのはイーロンの特質をよく表しています。しかも、ダラダラと質問を続けるのではなく、短時間で密度の濃い質問をぶつけるのです。 竹内一正.イーロン・マスク 世界をつくり変える男(Kindleの位置No.1380-1383).ダイヤモンド社.Kindle版.
このあたりのハイスピードの思考スタイルは、今の社会では必要となると筆者は述べていらっしゃるので、とにかくスピードと行動力ということを意識して、僕も活動したいと思います。
まとめ
イーロン・マスクやべぇ!