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【読書メモ】人生で悩んでいるそんなあなたに『その悩み、哲学者がすでに答えを出しています』

本の読んだメモです。

その悩み、哲学者がすでに答えを出しています

その悩み、哲学者がすでに答えを出しています

結論から言うと、悩んだその瞬間にまた手に取りたい、そんな本でした。

人類には長い歴史がありますが、やっぱりいつの時代も人々は似たような悩みを抱えています。 そんな悩みに対し、この本ではこれまでの哲学者たちが、どのように振る舞い考えたかを分かりやすく説明しています。

その中でも僕がいくつか感銘をうけた箇所をピックアップしてご紹介したいと思います。

お金持ちになりたい

まずは「金持ちになりたい」という欲求についてです。これは誰しもが一度は思ったことがあるのではないでしょうか?

僕はいまでも金持ちになりたいと思っています。笑

じゃあどうすればお金持ちになれるのでしょうか?

この悩みにマックス・ウェーバーが答えを出しています。

結論から言うと、

「お金という富への執着を捨て、ストイックに働いた人が結果としてお金持ちになった」とウェーバーはいうのです。

小林昌平.その悩み、哲学者がすでに答えを出しています(Kindleの位置No.305-308).文響社.Kindle版.

ということです。

金銭欲の強い人にはお金があつまるわけではなく、人々の生活のために働いた結果としてお金が儲かり裕福になるとマックス・ウェーバーは主張しています。

あたりまえじゃん!

と思うかもしれませんが、実際にこれは非常に的を得ています。

Amazonのトップ、ジェフ・ベソスはAmazonというインターネットで手軽に買い物ができるサービスを展開して、1120億ドルという巨額の資産を築いています。 今のAmazonは人々の生活をより豊かにしました。しかもAmazonは、そのサービスのノウハウを活かしてクラウドサービスを展開し、様々な企業が利用し、企業の活動にも欠かせない存在となっています。

とにかく、人々の役に立つために働く!

そんな禁欲的な労働が人をお金持ちにするということは非常に納得しました。

自分を他人と比べて落ち込んでしまう

自分を他人と比較し、妬んで落ち込んでしまうことは人であれば少なからずあると思います。

僕の例を挙げれば、

  • あの人はなんであんなにお金を持っているのだろう
  • なんであの人は美人な彼女と付き合えるのだろう
  • あの人は仕事早いし、正確だけど自分は・・・

などなど、挙げればキリがありません。

そんな悩みに対し、ミハイ・チクセントミハイが答えを出しています。

「集中して取り組むべき何かをやりとげている時は、同時に自分の存在を感じるほどの注意力は残っていない」

小林昌平.その悩み、哲学者がすでに答えを出しています(Kindleの位置No.1006-1007).文響社.Kindle版.

これだけ見ると、「ん?」って思うかもしれません。

日本社会は「所属」や「状態」を他人と比較することで証明したがる傾向にあります。

一方、行動することを重要する社会では、その「所属」や「状態」は全く関係ありません。自分の達成感や幸せはそういった「ステイタス」(状態)を比較することではなく、

「自分の持てる能力をぎりぎりまで使って、クリアできるかできないかの課題に真剣に取り組む」といった「する」体験の強さによって以外にはありえません。

小林昌平.その悩み、哲学者がすでに答えを出しています(Kindleの位置No.981-984).文響社.Kindle版.

と説明しています。

その状態のことをチクセントミハイは「フロー体験」と呼びました。

このフロー体験を経験している人間は他人の存在はもちろん、自分の存在をも忘れ、エクスタシーの状態になると提唱しています。

僕の場合、とにかく夢中になるという体験をしているのは具体的には、フットサルをしているときだったり、ピアノを弾いているときだったり、プログラミングをしているときだったりするのですが、そんなときは他人の存在を忘れ、気持ち良い感覚になっています。

そんなフロー体験を求め、自分の能力ぎりぎりの課題に取り組む機会を増やすことが、他人と比較し劣等感に悩まされない秘訣なのかもしれません。

他人はあんな「状態」だけど、自分はこの「行動」しているときが幸せなんだと思えれば、この本を読んだ価値は大いにあると思います。

他人から認められたい。チヤホヤされたい

他人から認められたい。チヤホヤされたい。僕はそんな思いを日々思いながら生活しているわけですが、この欲求は心理学者マズローが提唱した欲求の5段階の中でも、より上位の欲求である「承認欲求」です。

誰かに認められたいと少しでも思ったら、それは承認欲求になるわけです。

現代社会では特にインターネットやSNSの発展で承認欲求をより求める傾向にあります。「いいね」欲しさに、綺麗な写真やイケてる写真をアップしている人々は「認められたい」そんな思いが少なからず、心のうちの中にあります。

それに対し、フランスのジャック・ラカンという精神分析家が、ある理論を提唱しています。

それは、

他者という現実の個人はいわば「小文字の他者」で、それとは別に、無意識の領域に「大文字の他者」というものが存在すると考えました。人間の承認欲求というのは業が深いもので、「小文字の他者(現実の個人)」だけでなく、「大文字の他者」に認められるという実感を得ることがなければ、十分に満足することができないと考えたのです。

小林昌平.その悩み、哲学者がすでに答えを出しています(Kindleの位置No.1073-1078).文響社.Kindle版.

ん?

小文字の他者って何?大文字の他者って何?笑って僕も最初は思いました。笑

ジャックによれば、「小文字の他者」は現実に存在する個人のことで、「大文字の他者」は象徴的な大きな他者であり、「神様」のことらしいです。

この「大文字の他者」に認められない限り、人は真に承認欲求を満たすことができないと主張しています。 逆に「小文字の他者」の承認ばかりを求めていれば、短期的には欲求を満たされても、すぐ足りなくなり、また「小文字の他者」に認められたいと悪循環に陥ると語っています。

本では、「大文字の他者」の具体的な例として、

「人も車も見当たらない真夜中の交差点で、つい信号を守ってしまう」のも、「大文字の他者」の効果です。

小林昌平.その悩み、哲学者がすでに答えを出しています(Kindleの位置No.1084-1085).文響社.Kindle版.

つまりは現在の個人に認められたいと行動するのではなく、神様、自分のもつ信念、主義に認められるよう行動することが大事と僕は読み取りました。

とはいってもモテたいという思いは前からあるので、そこは目の前にある女性に認められたいと思い行動するのではなく、素敵な女性がそこにいたら声をかけ仲良くなるという僕なりの信念を持って行動すれば、それは「小文字の他者」ではなく、「大文字の他者」なると思います。

その他

他にもこの本では、人生でありがちな悩みを取り上げ、哲学者の解釈を分かりやすく答えてくれているので、僕は何かで悩んでいるなと感じたら、この本の目次を見て、そのページを見返すことになると思います。