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【読書メモ】数学で語る恋愛『恋愛を数学する』

恋愛を数学する (TEDブックス)

恋愛を数学する (TEDブックス)

恋愛の始まりから結婚生活の過ごし方まで、数学を用いてベストな解を探していく、そんな本になっています。 恋愛に数学を用いることで、今まで知らなかった意外な側面があり、興味深く読むことができました。

恋愛ができなくて困っている方はもちろん、お付き合いをしていて本当にこの人と結婚してもよいかと悩んでいる人、結婚していて上手く結婚生活を送れていない人はとても参考になる一冊となっています。 あくまでも数学的な観点から恋愛について語っているので、一概にこの本で述べられていることが当てはまるとは限りませんが、多くの人にとって知っていて損はない内容になっています。

この本の面白さは、なんといっても数学を用いて論理的に恋愛を説明していくところにあります。 著者であるハンナ・フライさんは数学者で、数理モデルを用いた人間の行動パターンの研究をしている方で、暴動・テロ、貿易やショッピングなど幅広く研究をされている方です。 普通恋愛の本といえば、恋愛豊富な方が独自のノウハウを説明するパターンが多いかと思いますが、この本はそういったことは一切なくあくまでも数学を用いて、恋愛について語る点で、とても説得力があります。

本のストーリーの流れも恋愛の始まりから説明され、途中現代では一般的なオンラインデートについても説明され、最終的には結婚生活をどう過ごすべきかという人生における恋愛の流れに沿った形で進められています。 また著者のハンナ・フライさんはTEDでも講演しており、その動画をネットで閲覧するこができます。

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アプローチの方法

この本では恋愛に関して、多くのことを学ぶことができました。 特に興味深かったのは、第3章の「夜遊びの喜びを最大化するには」に出てくる箇所です。

自らアプローチしていくほうが、座して人が来てくれるのを待つよりも、必ず良い結果につながるのです。ですから、目標は高く、何度でも。数学はそう教えてくれています。

これは男性、女性関係なく言えることで、全米臨床研修マッチングプログラムという医師と病院のマッチングの例を用いて、説明しています。 要は、その場にいる一番良いと思う人から順に声をかけていくことで、最良の人と巡り会えるというもので、逆に待っているばかりだとアプローチして来た人の中で一番ましな人としか巡り会えないということです。

合コン、バーなどで良い出会いを探している方は積極的に声をかけていきましょう。

末長く幸せに暮らすために

この本の中で末長く暮らすために、マレーの数理モデルが紹介されています。

{ \displaystyle
W_{ t + 1 } = w + r_WW_t + I_{ HW }(H_t)
}

{ \displaystyle
H_{ t + 1 } = h + r_HH_t + I_{ WH }(W_t)
}

この数式は会話の中で夫婦それぞれが次に発する言葉がどれくらいポジティブ・ネガティブになると期待されるか予測してくれるものです。

この数式の詳しい解説は本を読んでほしいのですが、要約すると夫婦がお互いにポジティブな影響を与えれば、より関係は良くなり、ネガティブな影響を与えれば、関係が悪くなるという一見当たり前のような数式なのですが、ポイントは、ネガティブな影響による下がり幅は、ポジティブな影響による上がり幅に比べ大きいということです。

つまりネガティブなことをしてしまい、「ネガティブの閾値」と呼ばれる限界点まで相手が達してしまった場合は、負のスパイラルに陥るということを説明しています。

実際にうまくいっているカップルはこの「ネガティブの閾値」がとても低いタイプ(小さいことでも我慢せず言ってしまうタイプ)が多いそうです。

ネガティブの閾値がとても低い人たちのほうが、人間関係がうまくいっていました。そのような人間関係では、カップルは互いに不満を出し合い、日頃から小さな問題を修復するよう、一緒に努力します。この場合、カップルは感情を押し殺したりせず、些細なことがきっかけで均衡を失い爆発してしまうこともありません。

まとめ

この本は、数学を用いた恋愛の解説本です。 普通の恋愛経験豊富な人が書いた本とは違った楽しみ方が味わえると思います。 恋愛と数学。一見してかけ離れた分野のように感じますが、改めて数学の有用性を学びました。 学校でこういう数学を教えてくれる先生がいたら、絶対に数学好きになると思います。