【投資】双日の決算発表を考察してみた
先日、双日の決算発表がありましたので、総評を述べたいと思います。
当初の計画と実績の比較
僕が双日株を購入したのは、2018年1月でその時点での株価は356円でした。
その時点での四季報による営業利益の推移予想はこんな感じでした。
年月 | 営業収益 | 営業利益 | 税前利益 | 利益 |
---|---|---|---|---|
13.3 | 1,747,740 | 25,493 | 28,052 | 13,448 |
14.3 | 1,803,104 | 23,694 | 44,033 | 27,250 |
15.3 | 1,809,701 | 33,550 | 52,584 | 33,075 |
16.3 | 1,658,072 | 29,242 | 44,269 | 36,526 |
17.3 | 1,555,349 | 51,618 | 57,955 | 40,760 |
18.3予 | 1,690,000 | 65,000 | 79,000 | 57,000 |
19.3予 | 1,750,000 | 68,000 | 85,000 | 62,000 |
今回の決算では、
営業利益:598億円
税前利益:803億円
利益:568億円
となっております。
営業利益は四季報による予想から50億円程度低い値となっておりますが、税前利益はおおむね予想通り、利益は予想より40億円程度高い値となっています。
営業利益が予想より低いのにもかかわらず、税前利益が予想より若干上回っているのは、持分法による投資損益の増加によるものです。
中期経営計画2017の振り返り
今期は双日の「中期経営計画2017」の最終年度となっており、IRページではその振り返り資料が閲覧することができます。
こちらの内容からは「当期純利益600億円以上」という目標のみ未達となっているものの、ほぼ達成しており、全体として計画以上の成績であったということが説明されています。
とはいえ個人的には未達は未達なので、具体的に何が原因で当期純利益600億円以上が未達となってしまったのか見ておこうと思います。
セグメント別収益の推移はこんな感じです。
-- | 2015/3実績 | 2018/3実績 | 差分 |
---|---|---|---|
自動車 | 26 | 65 | 39 |
航空産業・情報 | 33 | 31 | -2 |
環境・産業インフラ | 42 | 60 | 18 |
エネルギー | 35 | -61 | -96 |
石炭・金属 | -27 | 219 | 246 |
食料・アグリビジネス | 64 | 87 | 23 |
リテール・生活産業 | 29 | 57 | 28 |
産業基盤・都市開発 | 27 | 21 | -6 |
合計 | 253 | 519 | 266 |
これを見ると、
- エネルギーが大きくマイナスとなっており、今後どう成長させていくのか
- 石炭・金属が成長の大部分を支えており、今後この成長をキープまたは、増加させることができるのか
という点がポイントになります。
エネルギーセグメントについて
今期は「石油ガス権益関連での一過性損失などにより減益」と説明されていますが、2019年度は「前期石油ガス権益での一過性損失の反動による影響や、 国内・海外発電事業の収益の積上げを見込む」ということで、45億円の収益を見込んでいるとのこです。
特に今後は国内・海外発電事業については、再生可能エネルギーということで太陽光発電や風力発電について、力を入れていくと思いますので、そのあたりの動向に注目していきたいと思います。
石炭・金属セグメントについて
今期は「石炭などの資源価格の上昇と鉄鋼市況の回復により増益」と説明されており、219億円の収益を計上しています。
2019年度は「石炭など資源価格に一定のストレスをかける前提」ということで、205億円の見通しとなっております。
確かにこれまで石炭の資源価格は上昇傾向にありましたが、この価格上昇は長く続かない見込みのため、「一定のストレス」を前提とした収益の見込みとなっていますが、それでも石炭の資源価格は双日の収益に対して、影響力が大きいので、ウォッチしていきたいと思います。
総評
当期純利益の目標が未達となったものの全体として悪くない決算内容でした。
また、新しい中期経営計画「中期経営計画2020 〜Commitment to Growth〜」でも2020年に向けて、当期純利益750億円以上という目標を掲げていますので、今後も成長を見守っていきたいと思います。