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【映画】一人の警官の電話のやり取りだけなのに超おもしろい『ギルティ』

f:id:tkm03:20190225213313p:plain (画像引用:© 2018 NORDISK FILM PRODUCTION A/S)

guilty-movie.jp

先日、公開されたばかりの『ギルティ』という映画を観てきたので、その感想です。 率直に感想を言うと、物語のすべてが警察の緊急電話窓口の一室で完結しているにもかかわらず、衝撃の出来事が多くてハラハラドキドキでした。

正直に言います。

絶対に観た方が良いです。

ここから先はネタバレが含まれますので、まだ観ていない方はご注意ください。

この映画の物語は緊急電話窓口から始まり、他のシーンに移ることなく終始、緊急電話窓口で終わるのですが、そこで行われるやりとりから事件が始まります。 それは主人公のアズガーが取った1本の電話から始まります。

その電話はとある女性からの電話でした。 おびえたような電話だけど、何か話が合わない、最初はドラッグをやっているか酒で酔っ払っているのかと感じたアズガーですが、その電話の違和感から誘拐事件と推測します。 状況を把握するため、なるべくその誘拐犯に勘付かれないよう、YesとNoの質問で状況を把握していくと、徐々に誘拐事件であるとアズガーは確信していきます。 そこで、その近くを担当している警察担当者に連絡し、対応してくれと依頼するのですが、なかなか動きが悪く、アズガーは苛立ちます。

子供がいる女性だったため、その自宅に電話をすると、その女性の娘らしき子が出て、非常に怖がっているのを感じたアズガーは必ず母親を帰すと約束をして、まだ赤ちゃんである弟と一緒にいるように話します。これが後々、アズガーを苦しめることになります。

その間もなかなか対応が遅い警官に対し、苛立ったアズガーは強引に事故を発生させ、女性を逃がそうとするも失敗してしまいます。 そうしている間に犯人が夫であることが判明し、夫に電話し交渉するも、それもまた失敗してしまいます。

その後、女性からまた連絡が来て、アズガーは車に積んであるレンガで殴って逃げろとアドバイスをします。 そして、女性はそのとおりに実行し、なんとか逃げることができましたが、一方で子供がいる自宅に到着した警官から連絡がきて、赤ちゃんが殺されていることが判明します。

はじめは夫が殺したと判断したアズガーですが、その後女性の電話での言動から、その女性が赤ちゃんを殺したと判明します。 そのときアズガーはいかれ狂ったように、電話やキーボードを叩きつけたシーンは印象的でした。 赤ちゃんを殺したのは男性だと思い込んでいたショック、赤ちゃんの死体現場を女の子に見せてしまったという罪悪感が伝わってきました。

それでも、その後、女性が自殺を図ろうとしているときに、必死で説得し、自分の過去をさらけ出し、あれは事故だったと説明しますが、飛び降りる音がして電話が切れてしまいます。このときの緊迫感は現場のシーンが映像化されていないにも関わらず、伝わってきました。

こんな形で電話1本で物語が進む映画は僕自身初体験でしたが、非常に見応えのある映画となっていました。 ここまで入り込める映画にした脚本家のストーリー構成、白熱の演技をした役者はすごいです。

特に印象に残ったシーンはラストシーンで、アズガーが帰り際、携帯電話でだれかに電話するのですが、かけている途中で映画が終わります。 果たして誰にかけたのか、気になるところではありますが、そこを観客に考えさせる構成にしたのは、最高でした。